2008年08月12日
世界でいちばん熱い夏 その二
その一はコチラ
~第二話~ 作・石田滋
話は少し前に遡る。
元々目つきの悪い河田はとにかく絡まれる事が多く、
それは七高に入学して更に増えた。
だが彼は幼少から泣き虫で、
言いがかりをつけられては絡まれその度に泣いていた。
そんな彼だが、1学期も終わる頃にはこう呼ばれていた。
“七高の泣き虫番長”と。
河田は泣き虫で気弱な性格ではあるが、喧嘩になると七高の誰よりも強かった。
その喧嘩の噂が発端となり、
彼はこの街の全ての名のある高校生達の標的となって、
毎日を狙われ過ごす事となった。
そして石松と天沢と約束をしていたこの日、
街中の強者たちが揃って河田に狙いをかけて来たのだ。
もちろん河田に闘う気などなく、彼は一目散に逃げた。
そして不運な二人を巻き込んでしまい、
結局泣きながらも全て倒してしまうのだった。
“僕は喧嘩なんかしたくない。三人であの夢を叶えたいだけなんだ”
河田は破れたズボンを少し気にしながら、そう思い走り続けていた。
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