百獣の王お花見情報

2008年03月21日

『サクラ -承-』




サクラ ~第一話~ (ツキノイシ・石田滋)






サクラ ~第二話~


「その時知ったんだよ、夜が一番綺麗だって」

そっと父の顔をなぞり昔聞かされた言葉を知夜は思い出していた。
掌に残っていた花びらが涙の一粒のように頬に・・・。

幼い頃母を亡くし男手一つで育ててくれた父。
10年前そんな父が病に倒れ何よりも父の幸せを優先した。



自分の幸せよりも・・・



病室の窓からは川辺の桜が望める。

時折強く吹く風にヒラヒラと花びらは舞い
「な、夜が一番綺麗だろ?」呟いて父は微笑んだ。

知夜は喜ばせようと夜風に舞う花びらを両手いっぱい集めに行き、父の元へ

「お父さん、ほら・・・」


異変とはすぐに気付くものだ。

涙が溢れ、掌から無数の花びらが零れ落ちる。
時計の針が0時を告げた時、鼓動は永遠を告げていた・・・

頬に残る一粒にそっと触れると、
父の温もりを含むその花びらは知夜に10年前の記憶を蘇らせる。


「和志・・・」

知夜の震える言葉は強い風にかき消されたが、

川辺の桜は応えるように大きく大きく夜風に揺れていた。










at 23:59│Comments(2) リレー小説 

この記事へのコメント

1. Posted by かつチョル   2008年03月23日 01:21
続きがとても気になりますねー{びっくり2}
2. Posted by 河津   2008年03月24日 23:39
かっちょる>
ねぇ~続きはどうなるんだろか・・・・?
後は2人がどうすんのか・・・???だな。

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